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  • バードコンサルティング株式会社

承継事例5. 医療法人(診療所)のケース

更新日:2023年6月16日



承継理由:後継者問題の解決

承継形態:第三者承継

#常時リスペクトの姿勢でお願いいたします


譲渡側と譲受側の両先生が承継について仲介をしてほしいとご相談にみえられました。 

意外かもしれませんが、こういったケースはレアケースではありません。両先生はM&A経験のある先生に相談したところ、当事者ですすめるのであれば、一方の希望をすべてもう一方が受け入れる覚悟があるのなら別だが、そうでないのであれば利害調整が必要となるので第三者に依頼したほうが無難だとアドバイスをもらったそうです。


両先生としても長年家族ぐるみでのお付き合いがあるので、承継も成立させたいが人間関係は壊したくないとの想いからご相談にみえられたようです。

そんな両先生ですからスピード感をもって承継ができそうだと思っていたのですが・・・。


第三者承継やM&Aの現場においてよくあるのですが、当初はお互いをリスペクトしていますから上下関係はないのですが、徐々に譲受側が買ってあげるのだと勘違いしてしまうことがあります。


そうなってしまう要因は様々なのですが、今回のケースでは譲受側の先生の顧問税理士の方の影響のようでした。士業の方のなかには、顧問先から意見を求められると必要以上に頑張ってしまう方がいらっしゃいます。今回のケースでは、承継価値について両者の間で合意ができていたのですが、譲受側の先生が顧問税理士の方に意見を求めたところ「もっと安くできるはず」とアドバイスされたことから、「本来よりも高い金額で買ってあげる」と勘違いしてしまったようです。


その結果、譲渡側の先生に対する要望内容や話し方にもそういった思いが表れてしまったらしく、結局、譲渡側の先生の逆鱗に触れることとなってしまいました。

承継価額について顧問税理士の方とお話したところ、自分の顧問先が騙されているのではないかという先入観から単に値引きをアドバイスしただけのようでした。


譲渡側の先生からは、今回の承継についてはもう終わりにしたいとの連絡があったのですが、譲受側の先生に、そもそも「本来よりも高く買ってあげる」という考えを持つに至った顧問税理士の方のアドバイスには根拠がないことをお伝えし、今回の承継について譲渡側の先生からはイヤイヤ承継してもらうつもりはないとのお考えに至っているということもお伝えしました。


びっくりしたのは譲受側の先生です。「本来よりも高く買ってあげる」のだから感謝こそされても感情を損なうことになってしまっていたとは青天の霹靂だったかもしれません。

結局、譲受側の先生が譲渡側の先生にご自身の思い違いから失礼な態度を取っていたこと等を謝罪され、譲渡側の先生もこの謝罪を受け入れてくださったことから、承継を成立させることが出来ました。


医療機関の承継に関しては、譲渡側の事情として必ず譲渡する必要があるかというと、殆どの場合、そうではありません。条件に合わなければ交渉を中止して閉院すればいいと思われておられます。


このようなケースにならないように・・・

承継の当事者の方々には、お相手に対するリスペクトを忘れずに臨んでくださるようお願いしています。


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